糖尿病領域でよく処方されるメトホルミンが自主回収!? その理由は!?
今回は、メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「JG」の自主回収(クラスⅠ)について現役薬剤師が紹介します。
●販売名(医薬品名)
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「JG」
●一般名
メトホルミン塩酸塩
●薬効分類名
ビグアナイド系経口血糖降下薬
●効能効果
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
●製造販売業者(メーカー)
日本ジェネリック株式会社
●対象ロット
下記参照
●回収開始年月日
令和2年4月27日
●自主回収理由
令和元年12月9日に厚生労働省から発出された事務連絡「メトホルミン塩酸塩における発がん物質の検出に対する対応について」に従い、全ロット及び使用原薬の一部ロットについてN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)の分析を行った。その結果、500mg錠のPTP包装品の一部のロットから事務連絡で提示された管理指標を超過する結果が得られた。この結果を受けて自主回収(クラス1)とした。なお、250mg錠のPTP包装品、バラ包装品(250mg及び500mg)ならびに原薬については管理指標を超えるロットはなかった。
※クラス1:その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況
●危惧される具体的な健康被害
NDMAは発がん性物質であり、重篤な健康被害にいたる可能性は否定できない。しかしながら、これまでに本件に関連した重篤な健康被害等の報告は受けていない。今後、発がん性を示唆する事象が認められた場合は速やかに情報提供する予定。
●代替薬(代わり)
2019年以降に出荷されたメトホルミン、メトホルミン250mg、2020年以降に出荷されたメトグルコ
●薬剤師のコメント
各医療機関ともどもコロナウイルス対応でてんやわんやしている中、クラスⅠの自主回収となり、残念に思います。しかし、自主回収対象は出荷時期が2018年と2年前であり、よく動く医薬品でもあるため、在庫は捌けていると思います。入院患者で持参薬として大量に持ってきた場合は、注意が必要ですね。
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