現役薬剤師からみた「アビガン」とは!? 服薬指導するにあたって注意することは!?
世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっている中、ついに日本政府が動き出します。今回は、厚生労働省が挙げている3つの新型コロナウイルス治療薬の候補のひとつ、「アビガン」について現役薬剤師が紹介します。
- ◆商品名(一般名)
- ◆製造開発元(製薬会社)
- ◆薬効分類(作用機序)
- ◆紹介
- ◆なぜアビガン(抗インフルエンザ薬)が新型コロナウイルスに効くのか!?
- ◆副作用
- ◆服薬指導するにあたって注意点
- ◆薬剤師のコメント
◆商品名(一般名)
アビガン(ファビピラビル)
◆製造開発元(製薬会社)
富士フイルム富士化学(富士フィルムホールディングスのお膝元)
◆薬効分類(作用機序)
抗インフルエンザ薬(選択的RNAポリメラーゼ阻害薬)
◆紹介
・日本政府が元々新型インフルエンザ対策として約200万人分程度を目標として備蓄している医薬品。
・ウイルスの複製・増殖を阻害する効果があるとされ、新型コロナウイルスを含む全てのRNAウイルスに一定の効果がある薬ともいわれている。
◆なぜアビガン(抗インフルエンザ薬)が新型コロナウイルスに効くのか!?
ウイルスの遺伝子(RNA)の増殖プロセス(RNAポリメラーゼ)を阻害することで、ウイルスを抑えることができるといわれている。新型コロナウイルスもRNAポリメラーゼを介して増殖するため、アビガンが効果的であるといわれている。
◆副作用
胎児に影響を及ぼす可能性があるため妊婦には禁忌
異常行動、免疫力低下(白血球減少、血小板減少等)、精神神経症状(厳格、妄想)等
◆服薬指導するにあたって注意点
①処方するにあたって文書による同意を取得すること。
②妊婦、妊娠している可能性のある女性には処方できない。
③授乳中の女性には授乳の中止を指導すること。
④5日間服薬厳守であることをきちんと指導すること。
◆薬剤師のコメント
日本では、一定の効果があれば重症患者に限り新型コロナウイルスに対して使用拡大を検討していくみたいです。また、アビガンの他に白羽の矢が立っている医薬品は、抗HIV薬であるカレトラ配合錠、現在国内承認はありませんが抗エボラ出血熱薬レムデシビルがあります。アビガンを扱うことがあれば、薬剤師としては併用薬の確認、副作用は必ず押さえておく必要があります。日本の切り札(アビガン)が救世主となるのか!?