とある病院の薬剤師ブログ

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【薬剤師向け】バンコマイシンの内服と点滴の違い|病院薬剤師が「バンコマイシン」を分かりやすく解説

バンコマイシンの内服と点滴の違いとは!? 薬剤師・薬学生向けにまとめて解説!!

今回は抗菌薬のひとつ、抗MRSA薬であるバンコマイシン(VCM)の内服と点滴の違い」を現役病院薬剤師がまとめて解説します。

 

◆グリコペプチド系の特徴

殺菌力があまり強くない

グラム陽性菌効果がある

  

そのため、むやみやたらとバンコマイシンを使うと殺菌力があまり強くないことにより、VRSA(バンコマイシン耐性MRSA)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)といった耐性菌に注意が必要です。

 

 

バンコマイシン(VCM)内服薬

内服のVCMは「腸管から吸収されない」が大きな特徴。

その特徴をいかした使用用途として、偽膜性腸炎(Clostridium difficile感染症)、MRSA腸炎があげられます。

ちなみにVCM点滴では腸内に到達しないので偽膜性腸炎(Clostridium difficile感染症)には無効です。

 

バンコマイシン(VCM)点滴

VCM点滴の使用用途としてはMRSAを代表とするグラム陽性菌(球菌・桿菌)です。グラム陰性菌には効果が得られません

 

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VCM静注の大きな特徴として、TDMを活用して初回投与がっちりと、その後の用量はトラフ値(10~15μg/ml、重症感染の場合は15~20μg/ml)をみながらコントロールする必要があります。

なぜトラフ値を確認する必要があるかというと、「抗菌作用がある有効血中濃度になっているか」と「副作用を招くような濃度になっていないか」を確認するためです。

 

 

◆VCMの主な副作用

腎障害、聴力障害、顔面紅潮(Redman syndrome)

 

◆採血

採血するタイミングとして、「投与開始3~4日目に、投与直前(30分前)」が一般的です。 

 

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  • 作者:岡 秀昭
  • メディカルサイエンスインターナショナル
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