とある病院の薬剤師ブログ

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抗菌薬「セファゾリン」が供給再開|日医工が安定供給に向けて国内製造へ

抗菌薬であるセファゾリン日医工」がついに供給再開!? 今後は国内製造で安定供給!?

抗菌薬「セファゾリン」関連で、医療機関として嬉しいニュースが届いたので、現役薬剤師が解説します。

 

 

日医工は23日、国内で品切れ状態となっていた抗菌剤、セファゾリンナトリウム注射用『日医工』」について、来月の11月25日から段階的に供給を再開すると発表した。来年1月には供給中止前の出荷水準に戻り、各医療機関への通常出荷を行える見通しだ。

 

セファゾリンは、日医工がトップシェアを握る薬剤。中国メーカーがセファゾリンの出発物質「テトラゾール酢酸」(TAA)、イタリアの原薬メーカー2社がセファゾリン原薬を製造し、複数ルートで調達していたが、昨年末に原薬メーカー2社のうち1社の原薬から不純物の混入が確認されて製造が停止していた。さらに、TAAも中国当局からの指示によって全世界での供給が停止し、2月からセファゾリンが供給できない状態となっていた。

 

 

その後、TAAが供給できるようになり、原薬メーカー1社がセファゾリン原薬の製造を開始したことにより、来月から出荷を開始することにした。

なお、異物混入が確認された原薬メーカーの製造再開は未定。

 

 

今回の件で、各医療機関は大きな影響(代替薬や他の抗菌薬のしわ寄せ)を受けたため、今後こうならないために、日本ではセファゾリンの安定供給に向けて国内での一貫生産体制を確立する方針のようです。

 

日医工は9月12日、欠品問題を起こした抗菌薬セファゾリンナトリウム注射用「日医工」の安定供給体制を確立するため、同社の静岡工場に設備投資すると発表した。投資予定額は15億円。既存の海外製剤委託先を維持しつつ、国内での一貫生産体制も確立する。

来年9月から国内の静岡工場セファゾリン原薬の製剤化を行う予定。

 

セファゾリンが使えないことで他の代わりの抗菌薬に変えたものの、代わりの抗菌薬も供給不安定になるという負の連鎖が続いていました。

 

それほど抗菌薬に頼っていたということになりますね。

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