膀胱腫瘍を可視化して手術時間を大幅短縮!?
泌尿器科での経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)には欠かせない医薬品があることはご存じでしょうか。膀胱がんの悪性腫瘍部だけを光らせて、切除を容易にすることで患者自身のからだの負担を大幅軽減が可能な医薬品。
今回は「アラグリオ顆粒」について現役薬剤師が副作用や注意点を中心に解説します。
◆アラグリオの作用機序
本剤投与後に体内で生成されたプロトポルフィリンIX(PPIX)は、400〜410nmの波長域を含む青色励起光により励起され、635nmをピークとする赤色蛍光を発する。 上記の青色励起光を発する光源装置を用いて膀胱内壁を照射し、膀胱鏡によりPPIXの赤色蛍光の有無を観察する。
◆効能・効果(適応)
経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化
◆用法・用量
通常、成人には、アミノレブリン酸塩酸塩として20mg/kgを、膀胱鏡挿入3時間前(範囲:2〜4時間前)に、水に溶解して経口投与。
※体重75kgの患者の場合、アラグリオ1包分(1.5g)
◆調製方法(使い方)
水50mlにアラグリオ1包全て溶解して、必要分シリンジで吸って内服させる。
◆味
少し酸っぱい
◆副作用
光線過敏症
◆相互作用
光線過敏症を起こすことが知られている薬剤
テトラサイクリン系抗生物質、スルフォンアミド系製剤、ニューキノロン系抗菌剤 、ヒペリシン(セイヨウオトギリソウ抽出物)等
◆注意点
・患者の病室のカーテンを48時間は閉めること
本剤投与後少なくとも48時間は、強い光(手術室の照明、直射日光又は明るい集中的な屋内光等)への眼及び皮膚の曝露を避け、照度500ルクス以下注1の室内で過ごさせること。
・健康食品(サプリメント)の内服確認
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は光線過敏症を引き起こすことがあるため、健康食品の内服の有無を確認する必要があります。
薬剤師として、内服薬との相互作用や健康食品の有無確認、用量の確認、患者にカーテンを閉めることの同意、そして副作用モニタリングをする必要があります。 ↓Amazonで買い物↓