「クラフトボス ミルクティー」が自主回収へ!! その原因菌とは!?
飲料水でお馴染みのサントリー(水と生きるSUNTORY)から、商品の自主回収についてのお知らせが届きました。そこで今回は、サントリー紅茶飲料「サントリー クラフトボスミルクティー 」の自主回収について現役薬剤師が解説(考察)します。
~商品の自主回収に関するお詫びとお知らせ~
このたび、「サントリー クラフトボス ミルクティー 500mlペットボトル」に、中味成分が分離し、香味変化が認められた商品があることが判明しました。これまで健康被害は確認されておりませんが、万全を期すために、対象ロットを自主回収することとしました。
今回の原因は、包材における微生物の残留および製造工程の管理状況等が複合的に関連し、ごく一部の商品に微生物が残存したことによるものと考えております。
◆対象商品(賞味期限と対象番号)
サントリー クラフトボス ミルクティー 500mlペットボトル
JANコード:4901777338272
青いキャップの下部に記載されている賞味期限が『2020年08月』で末尾の製造所固有記号が『/JJ』と記載されているもの。
(キャップがオレンジ色のホット商品は、対象外)
◆対象本数
約7万ケース(170万本)
◆飲んだ場合の症状は!?
下痢・腹痛
◆症状から考えられる原因微生物とは!?
真っ先に思い浮かべるのは、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こる「腸管出血性大腸菌(EHEC)」
しかし、清涼飲料水の規格基準(販売前の検査)の中に「大腸菌群は陰性でなければならない」という項目があるため、可能性は低いと考えられます。
特に可能性があるのが「セレウス菌(Bacillus cereus)」と考えます。
注意:断定はしていません。個人的な考察です。
セレウス菌には嘔吐型と下痢型の2つに分類され、日本ではほとんどが嘔吐型。
様々な食料品で起こりうる原因菌であり、今回の症状とよく似ています。
本食中毒患者に対しては、下痢や嘔吐に対する水分や栄養補給(補液)などの対症療法のみ。
現在被害報告はないものの、可能性があるとして自主回収に踏み切った模様。
どんな食べ物・飲み物でも起こりうる食中毒。菌で苦しめられる人類がいる一方で、菌で人類を救う薬を創り出すこともできる。「人類と細菌-終わりなき戦い」。