飲むだけで飲酒量を減らせる新薬「セリンクロ」とは!?
アルコール依存症は、誰でもなるリスクがあり、近年女性や高齢者の依存症者が増えており、問題となっています。また、元芸能人である山口達也さんもアルコール依存症に近い症状があらわれ、症状を落ち着かせるため約1ヶ月入院していたと報道されていました。そこで今回は、国内初のアルコール依存症における飲酒量低減薬「セリンクロ」について現役薬剤師が解説します。
日本国内では既に抗酒薬や断酒維持を目的とした断酒補助剤は発売されているので、まずは他のアルコール依存症の治療薬について解説します。
◆抗酒薬
アルコールを飲めない人と同様の生体反応を起こさせて、強制的に不快な状態(吐き気、頭痛等の急性アルコール中毒様症状)にする薬剤。
結果的にお酒(アルコール)の欲求を減らすことができるが、気持ちが悪い状態にさせる薬剤のため、度胸が必要です。
◆断酒補助剤
レグテクト(アカンプロセート)
現在日本の医療現場では主流。
1日3回を継続的に内服する必要があり、飲酒欲求につながる神経の過剰興奮を抑制することで、飲みたい欲求自体を抑える薬剤。
ただし、内服する際断酒への強い意思と規則正しい生活が必要条件となります。
◆飲酒量低減薬
セリンクロ(ナルメフェン)
セリンクロは、飲酒の1~2時間前に服用することで中枢神経に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑え、アルコール依存症患者の飲酒量を減らすことができる薬剤となる。
上記の2種類とは異なり、多量の飲酒を繰り返すアルコール依存症患者の飲酒量を減らしていく過程を補助する薬剤です。
アルコール中毒(アル中)に悩まされている患者の助けとなる薬になればいいですね。